【#ゾッとする話】【#怖い話】「ハイエナの粉」

【#ゾッとする話】【#怖い話】「ハイエナの粉」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/31(火) 20:35:58.18 ID:wdj9EVb20
 「ハイエナの粉」

 目鼻立ちは可愛らしいが、顔中ブツブツとした吹き出物だらけの少女は、街中で声をかけられた。
 それはどこかのテレビ局の街頭インタビューで、将来の夢はなにかと少女は聞かれた。
 少女はただ「粉になりたい」と奇妙なことを言って、不気味に笑いながら去って行った。

 インタビュアーたちは、おかなしな子に声をかけてしまった、見かけは普通そうなのに、とぼやいた。
 そんな彼らの声を聞きながら少女は「普通に見えるって。
 リンチ殺人犯の妹でも普通だって」と一人でつぶやいて笑った。
 それからすぐに、少女はビルの屋上から飛び降りた。

 少女は何部かの遺書を部屋に残していた。
 それは、母と兄、そして学校や各マスコミに向けられたものだった。
 自分亡き後に送ってほしいと母宛ての手紙には書かれていた。
 遺書の中では少女が死ぬまでに感じた日々のことが描かれていた。

 少女は昔から、動物を扱った自然番組が好きだったという。
 その中で、動物たちが噛み殺し合う姿に惹きつけられていたのだった。
 当時からひどく乱暴な兄によるストレスで顔が吹き出物だらけだった少女は、嗜虐的な映像を妙に求めていた。

 テレビの中では、ハイエナの兄妹が争っていた。
 自分の方がより多く餌を取りあうためにと、時にハイエナは身内で殺し合うのだという。
 母ハイエナは子孫を残そうという本能でそれを止めようとするが、妹ハイエナは結局死んでしまった。

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/31(火) 20:36:32.05 ID:wdj9EVb20
 テレビ越しに妹ハイエナの最後の泣き声を聞きながら、
 自分もああならないうちに兄を殺さなければと少女は思った。
 「確かにまだ子供のあの頃なら、男の兄ともそう力の差はなかったはずです 
 そう あの頃に兄を殺しておけばよかった」遺書にはそう書かれていた。

 少女は中学生になる頃には兄から辱めを受けるようになった。
 扉の向こうで様子をうかがっている母の姿が見えたが、母は助けに入ってはくれなかった。

 兄に殴られて傷だらけの状態で、少女はいつものように自然番組を見ていた。
 テレビの中では、母鹿が、立ちあがることの出来ない子鹿を見捨てていた。
 母鹿は群れへと帰っていき、残された子鹿は犬に食い殺された。
 その子鹿の姿が自分と重なり、少女は泣いた。

 「お母さん それでも私は夢を捨てていなかったのです 兄があんな事件を起こしても
  私はなんとか自分を生かしてやりたいと」
 少女は勉強をがんばり、いい成績を維持していた。
 ある日の学校帰り、見知らぬ男たちに声をかけられた。
 彼らは、ホームページをプリントアウトした紙を少女に見せた。

 そこには少女の名前と顔写真、通っている学校など詳細な情報が書かれていた。
 兄の名前は未成年であったため一般には公開されていなかったが、
 インターネット上ではあちこちに記されていた。
 凶悪な犯罪者を生み出した家族の詳細も。

 少女は男たちに車に押し込められ、連れて行かれた先で輪姦された。
 お前の兄はもっとひどいことをしたのだから報いだ、
 頭がいいみたいなんだし自分の立場をわかるべきだ、そう言われた。

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/31(火) 20:44:43.16 ID:wdj9EVb20
 「常に自分より弱者を見つけ踏みにじり、そうしないと自分を保てない
  兄もあいつらもハイエナ 私は違う 私はハイエナになるまいと努力してきた」
 少女の火葬の間、遺書を読んでいた母は号泣した。
 自分ばかりが苦しいと思い、少女になにもできなかったと。

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/31(火) 20:45:57.87 ID:wdj9EVb20
 せめて、遺骨は少女の遺書通りに処理すると母は誓った。
 「私の骨はお墓に入れず白い粉にして封筒に5gずつ入れて郵送して
  残りの骨粉は私が短い人生の中で見ることもできなかった美しい全国の景色の中で撒いてください」
 少年院で手紙を受け取った兄は読まずに捨て去り辺りに粉をぶちまけた。

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/31(火) 20:58:07.43 ID:wdj9EVb20
 マスコミらは、封を切った途端、ふいに舞い上がった粉を吸ってしまい、ひどく気味悪がった。
 インターネット上には、少女が生前に作成して残したホームページがあった。
 そこには遺書に書かれたのと同じ文章が掲載され、そして遺書には書かれなかった続きの文もあった。
 「貴方たちの吸う空気の中に私はいるのです」

 封を切った時に粉を吸ったマスコミ関係者の女性は、最近ひどい肌荒れに困っていた。 観光名所で粉を撒く
 少女の母の顔にはたくさんのブツブツができていた。 母はホームページの存在など知らず、全国で粉を撒きまわっていた。
 「強いストレスを受け続けた動物は体内に強い毒素を蓄積し自らを殺します
 それを食べた動物もやがて死にます 憎んだもの全てを殺さずにはいられない、私もやはりハイエナなのです」

【転載元】

http://world-fusigi.net/archives/7071588.html