【#ゾッとする話】【#怖い話】 筒井康隆「生きている脳」

【#ゾッとする話】【#怖い話】 筒井康隆「生きている脳」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/31(火) 19:31:34.25 ID:wdj9EVb20
 暇でしょうがない奴向け

 生きている脳 筒井康隆

 金持ちの男が不治の病で死の床にあった。
 医者は彼に言った。「脳だけを取り出して、培養液に浸けて置けば
 理論的には何百年も生き続けることができますよ」
 そのうち技術が進めば、目や耳などの感覚器官の代わりになる機械も
 サイボーグの手足も開発される。神経にそれを直接接続すれば
 元気な体がもう一度手に入る。それまでは培養液の中でのんびりと
 待てばいいのだ。

 医者の甘言に乗せられ、男はそれを承諾した。
 手術は無事に終了し、彼の脳髄は培養液の中に静かに浮かんでいた。
 傍目にはのんびりと、安らかにたゆたっているように見えた。

 術後、意識を取り戻した彼は全身の激痛に戦いた。
 彼の脳髄から伸びる神経線維は全て途中で断ち切られ、裸のままで
 培養液に浸されている。それが彼には全身の激痛となって感じられるのだった。

 叫ぼうにもそのための口も声帯も無い。
 状況を知ろうにも見るための目が無い。
 誰かに話を聞こうにも、聞くための耳すらもちろん無い。
 誰にも助けを求めることすらできないまま、いつまで続くのかもわからない
 痛みの中で、彼は医者の言葉を思い出していた。
 「理論的には何百年も」

【転載元】

http://world-fusigi.net/archives/7071588.html