【心霊・幽霊話】雨宿りでの若い女【#恐怖体験】【#怖い話】【#夏のホラー冬のホラー】

山はこりごりだ。
随分昔の話になるが、ある山に登った。
実名出すと色々記録が残ってるんでよろしくない為、すべて伏せさせてもらう。

下山途中雨に降られ適当な雨具を持たなかった俺は山腹の土手がえぐられているような場所を見つけ、そこで雨をやりすごそうと腰を下ろした。

多少降り込んではくるが一時の雨宿りには十分な場所だった。
予想に反し雨は降り続き、霧さえ出てきた。
「こんなとこで野宿かよ・・・」もうすっかり日も落ちて、あたりは暗くなり始めていた。

目の前の景色は山肌と木のみ。
気色悪い。

カロリーメイトかじりながらシートに寝転がってラジオを聞いていると、誰かが前を通りかかった。
時間は22時を回ったところ。
「道ぐちゃぐちゃで危ないですよ!」声をかけてみた。

軽く会釈をしてこっちに入ってきた風貌は年の頃なら二十歳ぐらいか。
でもなぜ若い女が夜の山をふらふら歩いてるんだ?

以下会話

俺「懐中電灯とかないんですか?」

女「・・・・。」

俺「今降りるのは危ないですよ!」

女「・・・・。」

俺「明るくなるまで待った方がいいですよ。」

女「・・・・。」(一応うなずく)

ヒールにスカートとかだったら何だか変だとも思っただろうが、一応俺なんかより重装備の登山ルックなんでそれ以上の不信は持たない事にした。

何を話すでもなく、下を見つづけている彼女に聞いてみた。
俺「一人で?」

女「・・・・。」(首を横に振る)

俺「他の人は?」

女「上で落石がありました。」(おー、やっとしゃべった!)

俺「ケガ人でたんですか?」

女「・・・・。」その一言を最後にまた沈黙が続いた。

朝になっていた。
彼女は知らないうちに出発したらしい。

チェッ。(いろんな意味を込めて。)

下山途中レスキューだか警察だかとすれちがった。
ヘリも飛んでた。

麓の食堂が開いてたんで飯でも食おうと入った。
客同志の会話は昨夜、彼女の言っていた落石の話題でもちきり。
「全員ダメだってよ。」外から入ってきた客が言った。
テレビのニュースがタイミング良くこの話題を流していた。
大学のパーティー全員死亡とか。

公開されたパーティーの顔写真の中に昨夜の彼女の顔があった。
俺はそれ以来、山には行けない。

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