【心霊スポット】鹿児島に住んでいた時の話【#恐怖体験】【#怖い話】【#夏のホラー冬のホラー】

去年の今ごろに起きた話する。
ほんのりっていうか、どっちかっていうと不可思議?な話かもしれない。

この一件があってから引っ越したんだが、俺んとこの家族は鹿児島に住んでた。
村とかそういうんじゃなく本当に普通の住宅街に住んでた。

家族構成は父さんと母さんと兄さんと弟の俺って感じで、すごく仲いい家族だったと思う。
俺は当時19歳で、兄さんは23歳で、歳が近いのもあるんだろうけど中でも兄さんと仲良かった。
兄さんは頭よくてイケメンっていうハイスペックだったが、物腰も柔らかくて俺のことすげーかわいがってくれてたし、嫉妬なんてもんはしなかった。
いや、したかもしれんがすぐ忘れる程度だった。

それで去年の夏休みのことだが兄さんと一緒に祖父母の家に行くことになった。
当初は父さんと母さんも一緒に家族で行くって予定だったんだが、家を出る間際になって母さんが「私たち、ちょっと急ぎで用できたから行けなくなっちゃったわー」と。
父さんには「お祖父ちゃんお祖母ちゃんに挨拶頼むわ」的なこと言われて、結局兄さんと2人で行くことになった。
あんまり突然だったんで俺はえ?ってなったんだが、兄さんが「いいから行くぞ。大丈夫だから。大丈夫だから」って何度も言って腕引っ張るもんだから、そのまま家出ちまった。

なんで父さん母さんがいきなり家に残ったのか、なんで兄さんが大丈夫、大丈夫って何度も言ってたのか、ちゃんと聞き出すべきだったなって、後になって思う。

祖父母の家は同じ県内にあって、電車で2時間も行けば着くようなとこだった。
ちなみに祖父母の家も住宅街にある。
ちょっと森に囲まれてるようなとこではあるんだが、普通の住宅街って言ってもいい感じの。
道中は楽しかった。

この年になっても兄さんと出かけることは珍しいことじゃなくて、大学のこととかいろいろ話したりモンハンしたりして暇しなかった。
兄さん頭いいせいかもしれんが話してて楽しいし話題が尽きない。
そんなんだから2時間とかあっという間だった。

んで、祖父母の家が近くなってきたとき、兄さんがいきなり静かになった。
本当いきなり。
今まで小学生でも笑わないような下ネタで笑ってたのにだ。

具合でも悪くなったのかと思って兄さんのほう見てみると、なんかわからんがマジ顔だったし、真剣な顔してた。

俺「あっわかった腹減ったのかwww兄さん腹減るとすぐ元気なくなry」

兄「うん」

俺「えぁ゛?」

兄「大丈夫だよお前は」

俺「えっえっ」

兄「お前は死なない。俺が守るものなあwwwww」

俺「えっ??氏ねwwww氏ねwwwwww」

兄「ブハハwwwwww」

なんだよ恒例の兄さんのくだらねーバカかよってこの時は思った。
でもこの言葉、あながち間違っちゃいなかった。
その後、また何故か言葉少なになりだした兄さんにカンチョーして慰めつつ祖父母の家に着いた。

祖父「おうう来たな!らっしゃい!」

祖母「久しぶりねえ」

兄「うっす」

俺「うーっす」

祖父は若い頃ラーメン屋やってたんで、なんかいっつもこんなんだ。
祖父母の家はすごく立派な昔ながらの平屋だ。
屋敷って言葉がそのまんま当てはまる。

挨拶済ませて、いくつもある部屋の中の玄関から見て手前辺りの和室に通された。
この辺りから兄さんの顔の強張りがなんかヤバいことになってた。

俺のカンチョーのせいかなって思ったけどなんか違ったみたい。
兄さんは声かけても、んーとか、うんしか言わないから仕方なく俺も黙ってた。
なんとなく不安になりながら、もぞもぞしてたとこに祖父母が戻ってきた。
お盆にコップふたつ乗せて。

クッソ暑くて喉乾いてたし茶かなって喜んだんだけど、よく見ると色がすごかった。
緑色なんだけど、青汁っていう感じじゃない。
なんていうのか、すごく濃くて原色のままの緑だった。
これ飲むのかって考えると顔ひきつった。

祖父「来て早々悪いけどな、よろしく頼むぞ。本当に兄はこの量でいいんだな」

兄「はい」

祖父「すまんなぁ・・・・・・」

祖母「ごめんね、ごめんね、俺くん、兄くん、ごめんね」

俺「え?なっなに??なんだ??」

兄「俺、大丈夫、大丈夫だからな。本当にお前のはちょっとだから。大丈夫だよ、大丈夫だよ、大丈夫」

俺「えっえっえっ???」

一気に話についていけなくなった俺だけど、とりあえず俺たちはこの変な緑の飲み物のために祖父母の家に来させられたんだってことはわかった。

コップがふたつ俺らの前に置かれた。
兄さんのは並々と注がれてる。
俺はコップ半分より少ないくらい。

意味がわからなくて固まってたら兄さんがぐいっと緑色のを煽った。
ビールでもこんなごっくごく飲んでるの見たことないってくらいごっくごく飲んでた。
祖母は泣いてたけど祖父の顔は見てない。
そんで、兄さんがぶっ倒れた。
意味不明だった。

俺「・・・・・・・・・・・・。はぁあ!!!?兄さん!!!!!!」

祖父「すまんなぁ。すまんなぁ。しきたりってものだよ」

俺「あああ!!!!?兄さんなんでそんな!!!!兄さん何して」

祖父「うん・・・・・・うん・・・・・・すまん・・・・・・ごめん・・・・・・」

一瞬呆然としたけど、兄さんが倒れたままビクビクってなって、本当に苦しそうで、俺ひたすらテンパって大声出した。
大声を出したもんだから大口空いてたらしくて、そしたらそこにその緑のを飲まされた。
てか注がれた。

思わず変な声出たよ。
けど俺はそれを飲み下しちまった。
味なんてよくわからなかったが、見た目に反して酸っぱかった?気がする。
んで、よく覚えてるのが、それを飲んだ時に感じた、体の中を一気に緑のが広がってく感触。
あと、なんかわからんが息するのがすごく苦しくなった。

とにかく気持ち悪くて辛くてたまらなくって、俺でこれなら兄さんはって、そこで倒れてる兄さんを見た。
逃げないとって思った。

祖母に続いて祖父も泣き出してて、もう訳がわからなかったけど兄さんを抱き起こした。
「兄さ、逃げ、兄さ」ってな感じで声もなんだかうまく出なくて焦ったけど、立てるってことはわかって、必死に兄さんをおぶって和室を出た。

兄さん痩せてたけど、俺よりけっこう身長あった。
火事場の馬鹿力ってやつで(きっと)、その時は簡単におぶれた。
クソ長い廊下に出たはいいんだけど、正直俺もフラフラで遠くになんか行けそうになかった。

幸いなことに玄関が近くて、ゼェゼェ言いながら玄関まで向かってると、電話があるのが見えて泣いた。
祖父母は揃って泣き崩れてるみたいだったし、まず兄さんを下ろして家に電話かけた。
わりとすぐに母さんが出た。

俺「な、俺、俺、兄さんが」

母さん「今お祖父ちゃんお祖母ちゃんちなの!?」

俺「ん゛、だ、すけっ、俺、兄さん、死ぬ」

母さん「ねえそうなの!?」

俺「ん゛ん」

母さん「アレはもらったの!?もらったわね!?」

俺「(咳き込んで喋れなくなる)」

母さん「ねえ!もらったわね!?ねえ!もらったわね!?もらったわね!?」

俺「グッゴホォッ」

母さん「ねえ!!もらったのね!!よかったねえ!よかった!よかったね!よかったああああああああああー!!!!!!!!!!」

あまりにも怖くて電話をたたっ切った。
電話の向こうで高笑いする声がした。
男の声も笑ってたし、父さんも一緒になって笑ってたんだと思う。
絶望的な気分になって、とにかく泣いた。

ひっぐひっぐ言ってみっともなかったけど、とにかく兄さんは離さなかった。
力なくだけど誰かの手が俺の頭をぐしゃぐしゃかき混ぜてたから、兄さんも意識はあったみたいだ。
そこから俺は逃げることなんて考えられなくなって、俺よりも兄さんのが絶対死にそうなのにとか、兄さん死んだらどうしようとか考えてびーびー泣いてた。
泣いてるうちに、多分失神したか気絶したかしたんだと思う。
死ぬなんてやだなって頭に浮かんだのは覚えてるけど、それ以外意識なくなったときの記憶がまったくない。

で、気失ってから何日経ったかなんて気にする間もなく、目ぇ覚めたんだ!ってわかったらすぐ兄さん背負って逃げた。
家に帰るのは正直すごく怖かったが、そこしか行くとこはなかった。

俺の体は軽かったけど、兄さんまだぐったりしてたし。
家に帰ってみたところ、父さんも母さんも特になにも言ってはこなかった。
ただ異常ににこにこにこにこにこにこしてるだけで。
気味悪いことに変わりはなかったからすぐ二階に引っ込んだよ。
俺の部屋行って布団しいて、兄さん寝かせてやった。

兄「おんぶとか・・・・・・おい・・・・・・駅恥ずかしかっただろ・・・・・・ありがと・・・・・・」

俺「気にすんなよ寝ろ!寝てろ!いいから!」

兄「でも気になるだろいろいろ・・・・・・」

俺「なるけど!寝ろ!」

兄「ごめんでも・・・・・・話さないと気がすまない・・・」

俺「わかったよゆっくりな!!」

兄さんが説明したこと、ここまで長くなりすぎたんで簡潔に言う。

・あの緑のは、簡単に言うと妙なものが見れるようになるもの。(兄さんも詳しい事情はわからないらしいので、なんなのかはわからないみたいだった)
・いつ飲ませるかとかのタイミングは定められてないが、一家の血筋に男が産まれたら兄弟だろうと双子だろうととにかく飲ませなきゃならない決まりで代々そうしてきたそう。
・飲ませる役目は、その男の祖父母にあたる男女が担う(母さんが一家の血筋にあたるので、俺たちの場合は母方の祖父母だった)
・この一件はすごくめでたいことらしい。
・兄さんはこの話を、母と祖母の電話してるとこから聞いた。

一気に話し終えられて、現実味のなさに頭おかしくなりそうだったけど、父さん母さんと祖父母の奇行を見たあとだと信じるしかなかった。
とりあえず俺はまず妙なものってなんだよって兄さんに聞こうとして気づいた。
目を凝らしてみて気づいた。

俺の部屋のソファーとか、PS3とか、窓から見える外の電線に、見えた。
黒かったり白かったり赤かったり緑だったりする。

動く肉片も見えるし、チン毛みたいのが跳ねてるのも見える、半透明の芋虫も見える、手の指が散らばってるのも見える。
ごめん、俺の語彙力じゃどう伝えていいかわからないけど、妙なものってこれだって俺は気づいた。
今まで必死で気づけなかったみたいだけど。
もう、いろんな事情とか聞きたくもないしどうでもよくなったよ。

ちょっと話が飛ぶが、俺と兄さんは二人して引っ越すことにしたんだ。
父さん母さんにも祖父母にもどう接していいかわからないでいて、微妙な態度しかとれない俺たちを、何もなかったみたいに戻った父さん母さんは気遣ってくれたみたいだ。

今は某県の某所のアパートに住んでる。
あんなことがあったあとだから、俺も兄さんも正直助かった。

あの緑のに身体的な後遺症とかそういうものはないって兄さんは言ってたんだが、兄さんは少し風邪引きやすくなったし、熱もよく出すようになって、体弱くなったように感じる。

生活費や学費は親が仕送りしてくれてる。
が、あの時庇ってくれた(俺の推測だと、あの緑のものは飲めば飲むほど効果?が強くなって駄目なんだと思う)兄さんに本当苦労かけたくなくって、今はバイトしまくってる。
勉強もそれなりにしながら。

何よりも俺が見る妙なものを俺なりに兄さんに伝えてみたときの「よかった、本当によかった、お前はそれで済んでるんだな?」って泣きながら言ってきた兄さんを少しでも楽させてやりたい。
俺の見てるのなんか気にしてられないって思うんだ。
兄さんには何が見えてるんだろう。

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