【怨念・呪術話】しつけが悪い子供【#恐怖体験】【#怖い話】【#夏のホラー冬のホラー】

元隣家の話。
婆ちゃん(姑)と嫁さんが看護師、旦那が大手企業勤め。
先代からの資産もあるらしい、かなりのお金持ちだった。

そこの息子はあまり躾(しつけ)がなっていない感じだが・・・まあ、その年の小学2年生にしては割と普通の部類。

季節は大体今頃で、ツバメが巣をかけてそろそろ雛が巣立つ時期。

ある日、帰宅すると両親と弟が不機嫌そうにしていたので何があったのか尋ねてみた。
うちの地域の小学校は、『通学班』という集団登校制度があり、弟とその隣家の子Yが同じ班だった。

通学路の途中に毎年ツバメが巣をかけていく家があり、弟はそれを眺めるのを楽しみにしながら学校へ通っていた。

その日の朝もツバメの巣から雛が何匹も顔を出し、親が餌を運ぶのを待って、賑やかに鳴いていたそうだ。
しかし、突然、班の前の方に並んでいたYが地面から石を拾い、ツバメの巣に向かって投げつけた。

一つ二つ・・・三つ。

弟は慌てて「何やってるんだよ!止めろよ!可哀相だろ!」と止めたが、泥や草で造られた巣は簡単に壊れ、雛と共に家の外壁から崩れ落ちた。

班長や女の子の悲鳴。
打ち所が悪かったのか、ぐったりしている雛もいれば、ばたりばたりと地面でもがいている雛もいる。

そして、更にYはその雛を足で何度も踏み付けたそうだ。

直後、雛に餌をやるべく戻ってきたらしい親鳥が、その場をぐるぐると飛んでいるのが見えたという・・・

「何てヒドイ・・・!!」

「罰が当たるよ!!」

家族で憤慨したのを覚えている。

それから数日後、「Yが通学班の待ち合わせに来なくなった」と弟が文句を言うようになった。

自分は興味もなくふーん、という感じで聞いていた。
例のツバメの件でとても不愉快だったし、どうでもよかった。

母が隣家の嫁さんとよく話す間柄で、同時期に「うちのYが学校へ行きたがらない」と悩みを打ち明けられてたようだが、「甘やかし過ぎて我が儘になってるだけなんじゃん?」と、母も話半分に聞いていたそう。

やがて一ヶ月、二ヶ月と経つうちに、隣家から怒鳴り声というか・・・叫び声が聞こえるようになった。
何を言っているか解らないけど。

そして、その年の冬「隣の旦那さん、急に会社辞めて・・・働かないんだって。で、女遊びに明け暮れてて嫁と大喧嘩。息子(旦那)を庇う姑に嫁がブチ切れて『今家計を支えているのはアタシの稼ぎなんだからね!』って・・・」もうダメだねお隣りの家は、と母。

それから数年後、隣家の住人が変わったらしく、盆栽や沢山の植物を育てているのが見えた。
仕事勤めであまり家にいない日が続いていたので、母に久し振りに話を聞いた。

「あれから直ぐの話だけど・・・旦那が何処かで手を出した女が893と関わってたらしくて、オトシマエという形で・・・今はその893の組織の上の人達の運転手になってるらしいよ」

「別にそんなことしなくても、手切れ金で何とかならなかったの?」

「旦那が家の金を全部女遊びに使っちゃったらしいよ?」

「だって、隣の婆ちゃんて物凄く口煩くて、神経質な人だったじゃん・・・」

その婆ちゃんはまだまだ現役バリバリで、何処かの病院の婦長さんをしていて、とても厳しい人だという話を聞いていた。
息子に杜撰(ずさん)な金遣いを任せるとは思えない。

「急に体壊して、寝たきりになったらしいよ?奥さんは先にもう家を出たって。旦那、女遊びするのに、家を抵当に入れたかで金借りてたっていうし」

「離婚?」

「さあね」

Yはどうしたのか?まだ中学生だ。

「悪い仲間とつるんでたとか聞いたけど・・・」

「お母さんと一緒に出て行ったの?」

「・・・・・・さあ?」

行方不明らしい。
偶然かもしれないが、隣家は文字通り『一家離散』となったそうです。

この時期になるといつも思いだします。

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